アナ雪が大ヒットした理由を改めて考察
はじめに
レリゴ〜♪ レリゴ〜♪ でお馴染みの
『アナ雪』こと『アナと雪の女王』。
ウォルト・ディズニー・アニメーション
・スタジオ制作の超有名作品です。
最近はゲーム、
キングダムハーツ3にも登場していますね。
この作品は2013年にアメリカで公開、
2014年には日本でも公開されて、
約13億ドルの大ヒットとなりました。
この大ヒットにより、
2015年4月にスピンオフ短編アニメーション
『アナと雪の女王 : エルサのサプライズ』が
『シンデレラ』と同時公開、
2018年3月にはスピンオフの2作目となる
『アナと雪の女王 : 家族の思い出』が
『リメンバー・ミー』と同時公開、
さらに2019年11月には続編が公開されます。
なんでこんなに大ヒットしたんでしょうか?
今回はストーリーやキャラクターではなく、
マーケティングの観点から見た私の考察です。
劇中歌ブーム
アナ雪が大ヒットした理由は、
本編だけではなく
『Let It Go』
『雪だるま作ろう』
『生まれてはじめて』
『とびら開けて』
など多くの劇中歌が注目された事にあります。
この劇中歌ブームを利用し、世界各国で
〜シング・アロング・バージョン〜』
が上映される事になります。
「シング・アロング (Sing-A-long)」は、
劇中の挿入歌が流れる場面になると
スクリーンに歌詞のテロップが表示され、
カラオケのように観客が一緒に歌える
上映方式の事です。
アナ雪では、作品の内容にちなみ、
会場内にパウダースノーを降らせる演出も
行われました。
観客はみんな登場キャラクターの
コスチュームを着て、
大いに盛り上がりました。
日本人の国民性
ワイワイ騒いでもOKな
『シング・アロング・バージョン』は
大好評でしたが、
世界でラストの公開となった日本では
当初実施する予定はなかったそうです。
なぜかというと、
日本では何かを観るときは席に着いて
最後まで静かにしているものだ
という考えが根強くあり、
またシャイな人が多い国民性だと
思われていたからです。
ところが、劇中で流れるキャッチーな曲が、
シャイな日本人の心を開いていきました。
映画の鑑賞後に劇中歌を口ずさみながら
劇場を出てくる人が予想外に多かったのです。
そして「みんなで一緒に歌いたい」という
観客の声に応え、ゴールデンウィークの
特別企画として『歌える上映』という
上映方式を行う事が決定しました。
こうしてついに、90もの映画館で
〜みんなで歌おう♪歌詞つき〜』
が上映され、リピーターが続出しました。
映画の新しい楽しみ方
映画といえば、
上映中は静かに観るものという常識が
私たちにはあると思います。
ポップコーンもなるべく静かに食べますよね?
だけどもしも劇中で好きな曲、
知っている曲が流れたら、
つい口ずさんだり動きたくなると思います。
そんな誰もが考える欲求や
心理を巧みに利用して、
『シング・アロング・バージョン』
という上映方式を導入したことで、
アナ雪はさらに大ヒットしました。
観客自身が作り上げる
『シング・アロング』の一体感は、
ディズニーのアトラクションのような
楽しさを感じさせたのだと思います。
本来は私たちにとって受け身である映画というものを、主体的、能動的、積極的に参加できるイベントに発展させたのは凄い事ですね。
最近は鑑賞中に声を出してもOKな
「応援上映」なんかも増えてますよね。
これからの映画の新しい楽しみ方、
味わい方にどんな価値が生まれるかが
とても気になります。
もし自由に楽しめる上映があるとしたら、
私は猫とお菓子、お寿司を持ち込み、
前の座席に素足を放り投げ、
贅沢にひじかけを両側使いたいですね。
ありのままで…